チラコイドが規則的に3~10層ほども積み重なった部分をさす.グラナスタックともいう.高等植物の葉緑体で発達しており,特に陰葉では顕著.光学顕微鏡でも緑色の粒として観察できる.一方,孔辺細胞やC4植物のうちトウモロコシなどの維管束鞘細胞ではほとんど見られない.陰葉での発達はLHCII(光化学系Ⅱに付随する光捕集系)の含量の増加を反映し,孔辺細胞などで未発達であることは,光化学系Ⅱがほとんど存在しないことと対応している.緑藻の葉緑体では,チラコイド膜が不規則に多数重なっている場合も知られているが,一般には未発達である.立体的には,円盤状のチラコイド膜が積み重なっているとともに,その周辺からは管状のチラコイドが伸びて,周辺のストロマチラコイドと連結していることも多い.