フィコビリタンパク質の一種で,分子量1.6万~2.0万の2種のサブユニットα,βから構成されフィコビリソームロッド構造の主成分である.シアノバクテリアと原始紅藻類のC-フィコシアニンでは,フィコシアノビリンがαに1分子,βに2分子結合している.この三量体 (αPCβPC)3がドーナツ状の円盤(ディスク)を形成し,さらにそれら2つが張り合わさった六量体ディスク (αPCβPC)6がロッドの構成単位である.これらのαβ単量体、三量体、六量体、さらに特定のリンカータンパク質が結合することで、吸収極大(615~635 nm)と蛍光極大(635~650 nm)が変化する.紅藻類や一部のシアノバクテリアのR-フィコシアニンでは,βサブユニットのフィコシアノビリン1分子以外の発色団は,フィコエリスロビリンやフィコウロビリンに置換され,複数の吸収極大を示す.クリプト藻のフィコシアニンは,フィコシアノビリンのほか,フィコビリビオリンなども結合し,分光特性により2,3種に分類されている. C-, R-フィコシアニンの結晶構造は,プロテインデータバンクに登録されている(1JB0,1F99).