化石燃料消費や森林破壊などの人間活動によって放出された二酸化炭素(CO2)が大気に蓄積する地球規模の環境問題.大気中のCO2濃度は,産業革命以前は約270ppm (百万分率)であったが,近年では毎年1.6ppmの割合で増加を続け, 2002年現在では370 ppm 近くに達している. CC2温室効果をもつため,大幅な濃度上昇は地球の温暖化を招くと危惧されている.また植物に対して直接的に光合成施肥効果を与えるため,群落の構造や種組成まで変化させると推測されている.今後,人口増加などによって加速度的にCO2放出は増加し,21世紀中に大気中の濃度は500~1,000 ppm まで上昇すると予測されている.そのため,その影響予測と対策の立案は緊急の課題となっており, 1997年にはCO2など温室効果気体の排出量を抑制するための京都議定書が採択された.