光合成組織における光照射時のミトコンドリアのTCA回路由来の二酸化炭素発生もしくはミトコンドリア呼吸鎖電子伝達系の酸素消費をさす.光照射下では光合成による二酸化炭素の固定,酸素の発生のほかにも光呼吸やメーラー反応などがあるため,日呼吸量は直接的な方法では測定できず,同位体を利用した方法,Kok効果から求める方法(Kok法),光合成速度の二酸化炭素濃度依存性を利用した方法(Laisk法)など間接的な方法で推定されてきた.
光照射下では葉緑体で過剰につくられたNADPHなどの還元当量がミトコンドリアに輸送され消費されるため,ミトコンドリアの電子伝達系と酸化的リン酸化による酸素消費速度は,光照射下では暗黒下と同じくらいかまたはそれよりも高い.光照射下でのミトコンドリアの酸化的リン酸化はショ糖の合成や転流に必要な細胞質ATPの供給源として重要であるともいう.一方,光照射下でのTCA回路由来の二酸化炭素発生速度は暗黒下よりも低いという報告が多い.