光の電気ベクトルの方向が90度異なる2つの直線偏光を照射したとき,物質の吸収強度の差によって生じる光学特性.ランダムに配向する光学的に等方性の試料については差が生じないために,試料を,外からの力,電場,磁場などによって配向させた上で測定する.実験室座標系について,縦偏光での吸光度をA∥,横偏光での吸光度をA⊥とすると,全吸収量(A∥+ 2A⊥)に対して,p=(A∥-A⊥)/(A∥+2A⊥)は吸光度に依存しない偏光性に関する情報を選択的に与える.この測定から,膜の法線方向に対する色素などの各エネルギー準位の遷移モーメントの方向や,大きな構造体の軸方向に対する色素の配向などの情報を得ることができ,空間的配置,高次構造などの解析に用いることができる.