銅は光合成電子伝達に関与するプラストシアニンやアスコルビン酸オキシダーゼ,シトクロムcオキシダーゼ,スーパーオキシドジスムターゼなど多くの酵素の補因子として,生物に不可欠な微量元素の一つである.一方,過剰の銅は酵素(特にSH酵素)活性の阻害や活性酸素種の発生を促し,脂質の過酸化, DNAやタンパク質に傷害を与える.また,非特異的に細胞膜を損傷し,細胞内から低分子物質の漏出をひき起こす.これらの銅の毒性作用を利用して,殺菌,殺虫剤など多くの薬剤がつくられている.