Qサイクルモデル[Q cycle model]

  シトクロムbc1複合体シトクロムb6f複合体にみられるキノンの還元に伴う水素イオンの膜を横切る輸送機構に関してMitchellが提唱したモデル.キノンからの2電子の移動に伴い4H+が輸送される現象がこのモデルにより説明可能であり,多くの実験事実で支持されている.近年のシトクロムbc1複合体の詳細な構造解析の結果もこのモデルと合致する.シトクロムbc1複合体,シトクロムb6f複合体には2つのキノン結合部位(Qo, Qi)があり,還元型キノンが膜表面近傍にあるQo部位でいったん酸化され2H+と2電子を放出するが,そのうちの1電子は2つのシトクロムb (bL,bH)を経てQi部位でキノンに戻されるキノンサイクルにより,結局1電子当たり2H+が輸送されるという考え方である.


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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:44:31