光化学系Ⅱの2番目の安定的なキノン電子受容体で,化学的な本体はプラストキノンである.単にQBと呼ばれる場合が多い.QAキノン電子受容体とは異なり,チラコイド膜内を自由に移動しているプラストキノン(プールのプラストキノン)と同様に二電子酸化還元反応を行い,それに伴ってプロトンを結合したり,遊離したりする.チラコイド膜のストロマ側表面近傍に存在し,電子伝達反応に伴う膜内腔へのプロトン輸送の入り口にもなっている.中性での酸化還元電位はプラストキノン同様約80 mVである.光化学系Ⅱ反応中心複合体のD1タンパク質に結合している.結合場所はQB部位と呼ばれ,アトラジンやDCMUなどの多くの光化学系Ⅱ電子伝達阻害剤の結合場所にもなっている.QBはQAQB型光合成反応中心をもつ光合成細菌にも存在し,この場合QBは,Lサブユニットに結合したユビキノンである.