アブシジン酸[abscisic acid]

  植物ホルモンの一つ.ABAと略される.植物に対する作用は成長阻害とストレス応答がよく知られていて,エチレンとともにストレスホルモンとも呼ばれる.種子休眠の促進,発芽の阻害,気孔の開閉,乾燥.低温などのストレス応答,種子の登熟,器官脱離などの生理作用を示す.化学的にはC15のセスキテルベン構造であり,植物ではC40のエポキシカロテノイドの酸化的開裂によって合成される生合成経路が主要である.したがって,カロテノイド欠損突然変異体やカロテノイド生合成阻害剤処理した植物はABA欠損となる.ABAは乾燥ストレスを受けた植物体や登熟種子で蓄積しており,逆に植物体の吸水や種子発芽によって速やかに減少する.複数のABA受容体が報告されている中で,PYR/PYL/RCAR受容体を介した情報伝達が最もよく理解されている.PYR/PYL/RCAR受容体はABAと結合すると立体構造を変化させ,ABA情報伝達の負の調節因子であるGroupAタンパク質脱リン酸化酵素2C (PP2C)と相互作用し,その活性を阻害する.その阻害によって,PP2Cに機能を抑えられていた正の調節因子であるSnRK2タンパク質キナーゼが活性化する.SnRK2は,転写因子,イオンチャンネル,NADPHオキシダーゼなど様々な調節タンパク質を活性化することが知られている.

abscisic acid.png

関連項目


Last-modified: 2015-03-23 (月) 16:27:50 (1726d)

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