黄化葉に光を照射したときに起こる吸収スペクトル変化.暗所で発芽したマメなどの黄化葉に蓄積されるプロトクロロフィリドは光によっクロロフィリドに変換される.柴田和雄はオパールガラス法を用いて黄化葉の吸収スペクトルを測定し, 650 nm に吸収極大をもつプロトクロロフィリドが光照射によって684nmに吸収極大をもつクロロフィリドに変換されたのち,暗所において吸収極大が672 nm に変化し,さらに678 nm に移ることを発見した.これら一連の吸収スペクトル変化は発見者に因んで柴田シフトと名づけられた.暗所におけるスペクトル変化はクロロフィリドヘのフィトール添加によるクロロフィル合成と,その後クロロフィルがチラコイド膜へクロロフィル-タンパク質複合体として組み込まれる過程を反映している.