NAD-リンゴ酸酵素(NAD-ME)を主な脱炭酸酵素とするC4植物サブタイプで,単子葉植物ではイネ科(キビ,シコクビエ,オヒシバ,ギョウギシバなど),双子葉植物にも多く分布し,ヒユ科(ヒユ,アオビユ,ハゲイトウ)や,アカザ科のAtriplex属,スベリヒユ科にもある.維管束鞘細胞(BSC)の葉緑体ではグラナが発達し, NAD-MEをもつ多数のミトコンドリアやペルオキシソームもすべて維管束側に配置する.NAD-ME型C4回路は葉肉細胞(MC), BSCともにアミノトランスフェラーゼ活性が高く,葉緑体の役割が少ない.MC細胞質でできたアスパラギン酸がBSCに輸送され, BSCミトコンドリアではオキサロ酢酸を経てリンゴ酸に還元されてNAD-MEにより脱炭酸される,CO2はBSC葉緑体で同化され,ピルビン酸はBSC細胞質でアラニンになり, MC細胞質でピルビン酸に戻り,MC葉緑体に取り込まれた後,そこでPEPに再生される.