CAM植物は夜間に蓄積したリンゴ酸を,昼間の気孔が閉じた状態で脱炭酸し(CAM日周変化の第Ⅲ期),二酸化炭素をRubiscoの反応基質として供給する.このときリンゴ酸をリンゴ酸デヒドロゲナーゼでオキサロ酢酸に酸化したのち,ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEP-CKまたはPCK)により脱炭酸を行っているものをPEP-CK(PCK)型CAM植物という.脱炭酸の結果,二酸化炭素とともに生じるホスホエノールピルビン酸は,糖新生経路を経て可溶性の糖やデンプンとして蓄えられる.ME型CAM植物とは異なり,葉に高いPEP-CK活性が検出されるが,ピルビン酸・リン酸ジキナーゼはほとんど検出されない.また,ME型CAM植物と比較して葉のNAD(P)-リンゴ酸酵素活性は低いとされるが,あまり変わらない種もある.代表的なものとして,パイナップル(Ananas comosus),サクララン(Hoya carnosa)などがある.